はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・

身体が・・・熱い・・・

それになんだろう・・・なんか、変だ・・・

ああ・・・やっぱり・・・酔っ払っちゃったのかな、わたし・・・

・・・なさけない・・・ごめんなさい社長、わたし、まだまだ秘書として未熟です・・・

 


陽菜は熱っぽい意識から、少しずつ覚醒しつつあった。
頭痛や気持ちの悪さはどうやらないようで、二日酔いというものとは違うようだが、
とにかく身体が火照っている。
その熱が心にも伝わり、疼くような切ないような感じがして、なんとも気恥ずかしい。

(今、何時頃だろう・・・優さんはもう帰ったかな・・・?)

それからまたしばらくして、やっと目を開けられるようになる。
どうやらベッドに寝かされているようだ。
部屋の明かりはつけたままで、外はどうやらまだ夜のまま。

(学校は、まだ大丈夫かな・・・)

ひとまずは安心しつつ、時計を探そうとするが身体がうまく動いてくれない。

(うう・・・お酒・・・侮ってました・・・)

なんとか首を捻ろうとしていると、視界に優が入ってくる。
優の方でも陽菜が目覚めたのに気がついたようで、ニコ、と笑い近づいてくる。

「おー、陽菜ちゃんお目覚めかな、気分はどう〜?」
「あ・・・優さん・・・どうもすみません・・・」
「ん、何がかな?」
「こんな・・・情けない姿を晒してしまって・・・本当に恥ずかしい・・・」
「あははっ、いいっていいって、ぜーんぶ計画通りのことなんだからさっ♪」
「は・・・はぁ・・・?」

計画? と疑問に思うも、優さんのことだし自分がこうなるのを見越していたのかな、と勝手に解釈してしまう。

「それよりも、気分の方はどうだい?」
「あ・・・はい・・・なんだか・・・なんだか熱いような・・・まだお酒が抜けてないのかな・・・」
「ふ〜む、熱い、かぁ。 ねぇねぇ、具体的にはどの辺がどんな風に、とかわかるかな?」
「え・・・?」

(どの辺が、どんな風に・・・?)

陽菜はそう言われて、改めて意識してみる。
熱は身体全体を覆っているように思っていたが、場所によって強弱があるような気がする。
腕や足の先端はそれほどでもなく、身体の中心に近づくにつれて強くなってきているようだ。
胸からお腹、そして下腹部へと意識を移していき・・・

(・・・!?)

陽菜の顔が“かぁっ”と赤く染まる。
下腹部のいちばん奥、足と足の間。
陽菜にとって最も恥ずかしいところ。
そこが、他のどこよりも熱を帯び・・・そして疼いているのだ。

(や・・・どうしてこんなトコロが・・・これも・・・お酒のせいなの・・・!?)

そこにきて優の視線に気付き、あまりの恥ずかしさに、顔をシーツにうずめてしまう。

「あれ、はるるんどうしたの? だいじょーぶ?」
「だ、大丈夫ですっ、なんでもありませんっ!」

一度意識してしまうと下腹部の熱と疼きは途端に激しくなり、
意識を外したくても外すことができない。
おそらく、“処理”をしないと眠ることすらできないだろう。
これまで自慰行為などしたことのない陽菜だが、やり方の想像くらいはつく。
だが、そのためには・・・

「おーい、陽菜ちゃん本当に平気? ちょっとお顔を見せてごらんなさい?」
「へ、平気ですっ、本当に平気ですから! だ、だから、優さんも今日はお帰りくださいっ、
 後片付けは私がやっておきますから・・・」
「あらそーお? でも本当に平気かなぁ?」
「平気です、本当に大丈夫で・・・」

いつのまにか陽菜に顔を近づけていた優が、
喋っている途中の陽菜の耳から首筋にかけて、吐息を ”ふっ”と吹きかけた

「・・・っひぃっ!!!」

陽菜の身体がビク、ビクン、と大袈裟なほどに震える。

「・・・な、何するんですか、優さん!」

シーツに埋めていた顔を優に向け、思わず真剣に抗議の声を上げてしまうが、
相変わらず顔は上気して、目は涙目になってしまっている。
対照的に優はいつも以上のニヤケ笑いで、反省の色など微塵も見られない。

「ん・・・どうしたの・・・? 何って、ちょーっと首筋に息がかかっただけだと思うんだけど・・・?」
「え・・・あ・・・そ・・・その・・・」

陽菜にとっては初めての経験だったが、これがどういうことかは分かってはいた。

(・・・ 感じてしまった・・・)

意識が下腹部に集中していたところに、首筋に不意打ちを受けて、思わず声まで上げてしまったのだ。

(恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい・・・・・・!)

(これ以上優さんと一緒にいたら、いつか見破られてしまう、はやく・・・早く帰って、お願い・・・!)

そんな必死の願いも、優の前には脆く崩れ去るばかり。
もはや陽菜は優の手のひらの上で踊るばかりなのだ。

「ねぇねぇ、もしかして、はるるん今ので感じちゃった?」
「・・・・!!」

絶句。
普段は絶対に見られることのない陽菜の羞恥と驚きの表情は、
優の嗜虐心を強く刺激する。

「そっ・・・そんなことありませんっ!」

陽菜はさらに涙目になりながら、必死で否定する。
当然、自分がどんな顔になっているかなど、顧みる余裕はまったくない。

(ああ・・・陽菜ちゃん、なんてかわいい・・・我聞くんにあげちゃうのが惜しいくらいだわ・・・)

陽菜の声を聞き流しつつ、そんなことを考えながら、
しかし攻め手は決して緩めない。

「え〜? 本当かなぁ、そんなこと言うと、お姉さん確かめちゃうよ〜?」
「そ、そんな、本当です、本当ですから、優さん、やめ・・・」

再び近づいてくる優の顔から逃げるようにシーツに顔を埋め、
刺激に備えて身体を硬くする。

―――つぃっ

びくんっ !

「・・・っ!」

少しだけ露出していた脇腹に指を這わせられ、声こそ抑えたものの・・・身体の震えは止められない。
そして痙攣が収まる間もなく、優の攻撃は続く。

ふぅっ

びくびくびくっ

「っはぁぁぁ!!!」

またしても耳から首筋へ息を吹きかけられ、思わず仰け反ってしまう。
シーツから顔を上げてしまったために喘ぎ声も抑えられない。
優はその隙を逃さず、仰け反って少しだけ浮いた陽菜の身体の下に手をまわし、
ごろんっ、と陽菜を仰向けにしてしまった。
そして優は陽菜の上で四つん這いになり、陽菜の顔を覗き込んでいる。

「いやぁびっくりだね、大人しそうな顔してはるるんがこーんなにえっちな娘だったとは、
 お姉さんぜーんぜん気付かなかったよ」
「そ、そんな・・・そんなこと、ない・・・です・・・」
「うふふふふ、そんなえっちな顔しながら否定したってぜーんぜん説得力ないのに、
 はるるんたらかーわいぃ♪」
「え・・・あ・・・」
「お、丁度いいところにこんなものが! ほらほら、よ〜くみてごらん?」

いつも陽菜の枕もとに、写真立てと共に置いてある我聞の母親の形見の手鏡。
これは偶然見つけたものであるが、有効であると思えば使わない手は無い。
優は鏡を開き、陽菜の顔の正面に向ける。

「あ・・・う・・・嘘・・・」


鏡に映っているのは、いつも見ているはずの自分の顔。
でも、その顔は自分でも見たことが無いくらいに赤く上気している。
ややひそめ気味の眉の下にはしっとりと潤み半開きになった目がこちらを覗いている。
目尻からは涙がこぼれそうだ。
口はだらしなく開き、端からはうっすら涎が這った跡すらみえる。

(こ・・・これが・・・わたし・・・? なんて・・・いやらしい・・・物欲しそうな・・・かお・・・)

優がパタンと手鏡を閉じ、元の位置に置いても、陽菜はまだ呆然としていた。

それを見て優は満足そうに笑い、

「うふふ、どうやら認めちゃったみたいだね、はーるるん?」
「え・・・い、いや・・・その・・・」
「普段のクールな陽菜ちゃんも魅力的だけど、いまのえっちぃはるるんもとーっても可愛いよ〜?」
「そ、そんな・・・」
「このギャップがもうたまんないね! いっくら朴念仁の我聞くんでも、今の表情で迫ったら100%押し倒すね!
 うむ、間違いなし!」

不意に出てきた我聞の名を聞いて、陽菜の崩れかけていた羞恥の心が息を吹き返す。

「な・・・なんでここに社長の名前がでてくるんですかっ! 
 だいたい、社長はそんなことしません!」

顔を真っ赤にして反論する陽菜に満足な笑みを返して、優は自分の描いたシナリオを進めて行く。

「だいたい、我聞くんだって陽菜ちゃんと同じ高校生だよ? いーっつも一緒のはるるんのこと、
 夜中にオカズにしちゃったりなんか、してるんじゃないかなー?」
「そ、そんな・・・社長に限って・・・そんな・・・こと・・・」

今まで考えてもみなかった。
今日まで、そういったことに感心の薄かった陽菜のこと、
まさか我聞がそんなことをしているかなど、これっぽっちも考えたことはなかったのだ。

「しゃ・・・社長は、そんなこと・・・しませんっ」

なんでそんなに必死に否定するのか陽菜自身にもわからない。
ただ、我聞はそんなことをする人ではない、と、ただ信じたかった。

「ふぅん・・・我聞くんのこと、信頼してるんだねぇ、さっすがはるるん、秘書の鏡だねっ!

 でも・・・それじゃあ、陽菜ちゃんはどうなのかな〜?」
「え・・・? わたし・・・?」
「そ! だって、こ〜んなえっちな陽菜ちゃんだもん、毎晩のように我聞くんのこと考えて、
 下着を濡らしたりなんかして!」
「そ、そ、そんな、そんなこと、したことありませんっ!!!」

自慰だってしたことないのだから、それは当然。
当然のはずなのに・・・

「え〜、ホントかな〜? だってさっき、陽菜ちゃん寝言でね、
 ”社長、社長”って何度も言ってたんだよ〜?」
「う・・・嘘・・・」

もちろん、嘘。

だが、今の陽菜は混乱の渦中にあり、自分のことすら信じられなくなりつつある。

「この優姉さんが嘘つきだなんて失礼な! 
 さっきも、こんな声あげながら何度も我聞くんのこと呼んでたんだからね!」

言いつつ、陽菜の首筋に指を這わせる。

「はうぅっ! ・・・・・・そんな、嘘、嘘です・・・っあぁぁあっ!」

優の指先の刺激に、陽菜は昂ぶってしまう自分を抑えることが出来ない。
しかも、その昂ぶりは回数を重ねるごとに確実に強くなってきているのだ。

(いけない・・・このままじゃ・・・わたし・・・わたし・・・)

「さーぁ白状しちゃいなさーい? 陽菜ちゃんだって年頃の女の子、
 決して恥ずかしいことじゃないんだからね?」
「ち・・・ちが、わた、わたし・・・っひっ、そんなこと、うそ、そんなぁあっ、
 し・・・してない・・・してないっ、ですっ・・・んぁぁっ・・・」

優は陽菜の心を言葉で、身体を指で弄びながら、ますます陽菜を昂ぶらせていく。
もう彼女の限界は近い、それは明らかだ。
それにしても・・・

(まーだ大事なところは全然触れても居ないのにこの感じ様・・・
 仕込むには仕込んだけど、陽菜ちゃんってもともと素質アリみたいだね〜
 これは思った以上に楽しめそうだね〜♪)

「うーん、どうしても素直になれないみたいだねぇ」
「だ・・・だって、ぁあっ、だって、ちがっ、違うんです、ホントに、あはぁぁ・・・」
「こうなったら仕方ない、素直になれない娘にはお仕置きが必要だね!」
「・・・え・・・や、いや! やめて、優さんやめてぇえ!」

優の手が陽菜の胸元にかかり、上着のボタンを外し始めたのだ。
今度は何をされるか、何処を責められるか、こういうことに鈍い陽菜とて流石に想像はつく。

「お願い、お願いですっ、優さん、許してください、おねがいです!」
「だーめ、これも陽菜ちゃんが素直ないい娘になれるようにってすることなんだからね!
 それに、本当に嫌なら抵抗するはずなのにねぇ? さっきからずーっとされるがままだよね〜
 はるるんって、もしかしてただのえっちじゃ無くて、Mっ気まであったりして〜!」
「ち、ちがうんですっ、からだ、うごかないんですっ、だから、おねがっぁあぁ!」

必死に抗議する陽菜の、顕になった鎖骨付近を指で撫でつけて、彼女の声を封じ込める。
体中をびくんびくんと痙攣させながら、陽菜の息はますます荒くなっていく。

「あれー? 動かないとか言いながら、触られるとちゃーんと反応するよねぇ、気持ちよさそうに・・・
 やっぱりはるるん、お仕置きされるの待ってるんじゃないの〜?」
「あ・・・ああ・・・ちがう・・・ちがいますぅ・・・」
「言ってることとやってることが違うんだもん、いつもと違って説得力ないよ〜、
 っと、ボタン外し終了〜!」
「・・・ひっ! や、ゆ、優さん、お願い、もう、やめて・・・」

陽菜は上着のボタンを全て外され、既に左右にめくられてしまっている。
その控えめな胸を覆うのは、頼りない一枚の布しか残っていない。

「いや・・・恥ずかしい・・・見ないで・・・」
「ふっふっふっ、そそる言い方だねぇ、やっぱり誘ってるんじゃないの〜?」
「ちがう・・・ちがいます・・・」
「飾り気のない白いブラ! いやあ、期待通りだねぇ! この姿も十分にそそるんだけど、
 ここまできて終わり、って訳には行かないよね、はるるんだってそう思うでしょ〜?」
「いや・・・おねが、おねがいですっ、もう、もう許して・・・いや、いやあああああ!」
「残念ですが、その要求はうけいれられませ〜ん、ではでは、ご開帳〜♪」

優が小ぶりな胸を両手で包むようにブラを掴むと、陽菜の身体がびくんっっと震える。

(あらら・・・これで第一Rは終了かしらね・・・?)

小さくクスリと笑いながら、わざと乱暴に陽菜のブラを上にずらし、胸を露出させた。
小さいながらも形よく上を向いた胸は陽菜らしく健康的で、
ブラを外した勢いでぷるんと軽く震えたようだった。
が、その刺激は容赦なく陽菜を責めたてる。

「ひっ・・・・ひあぁぁぁぁっぁぁっ!」

びくびくびくびくっ!


胸が押され、ブラで乳首が擦れる感覚は、これまでのどんな刺激よりも陽菜を昂ぶらせ、
これまでで一番大きな嬌声を上げさせた。

(だめ・・・だめ・・・ほんとに・・・おかしく・・・なっちゃ・・・う・・・)

呼吸も荒いを通り越し、ほとんど息も絶え絶え、という程に乱れている。

「お、まーだもってるか、はるるんがんばるね〜♪
 それにしても、ほーんと可愛いおっぱいだね、手のひらサイズだけどいい形してて、
 はるるんにぴったりって感じ〜」
「あ・・・あ・・・」

もう陽菜は言葉を紡ぐことすらできない。
頭の中で爆発しそうな何かがあって、必死でそれを押さえつけようとしている。
優の使った “まだ”という言葉もきっとそれのことだと、なんとなくわかった。
そして、それを爆発させようとしていることも・・・

「さてと、それじゃあはじめよっか!
 ファーストキスと処女はちゃんと我聞くん用に残しておいてあげるから、
 かわりにそのかーわいいおっぱいは、お姉さんが美味しく頂いちゃうからね♪」
「え・・・あ・・・」

キスと処女。

我聞。
優が意図したわけはないが、これらの単語は陽菜を少しだけ覚醒させる。
大事なもの、大切なもの・・・そして、これまで意識していなかったはずのひと。
そして・・・

そんな陽菜に構うことなく、優の両手が隠すものの無くなった陽菜の胸を包み込んでいく

「っひぁっ!」

親指と手のひらで、弾力を確かめるように下から揉み潰し

「ぃっひぃぃっ!」

外側から他の指で包み込むように揉みこねる

「ぁはぁあぁぁっ!」

こうして円を描くように、優は絶え間なく、何度も何度も陽菜の胸を責めつづける。

「っいあ! やっ! だめ、や、あああっ! ひぃ、やぁぁぁぁあぁ、あうぅ・・・」

陽菜の嬌声はもはや途切れなくなり、顔だけでなく全身が上気して赤く染まった身体からは、
汗の玉がびっしりと噴きだしている。

「うっふふ、ほんといい声で鳴くねぇ、お姉さんまで感じちゃいそうだよ・・・
 それにしても・・・おっぱいは小さい方が感じやすいって言うけど、本当なんだねぇ ♪
 それとも、はるるんがえっちぃだけ、だったりしてー?」
「いやっ! ち、ちがぅ、うあぁぁっ! だめ、もう、もうやめっ! やっ、ひあぁぁっ!!」

責めたてる優の方も、すっかり上気した顔に、じっとりと汗を浮かべている。
顔にはいつもどおりに笑みを浮かべているが、それは嗜虐的な喜びに満ちた笑みであった。

(あれ・・・無効化剤の効き目が足りなかったかな・・・
 それとも、私の方も素で感じちゃってたりして・・・案外Sの気でもあるのかな・・・うふふ
 ま、そんなことはどうでもいいか、今はもっと楽しまないと、ね・・・)

「感じやすい割には、結構頑張るね、責め甲斐があってグッドだよ〜
 それじゃあ、これではどうかな〜?」

陽菜の胸を責めつづける両手の親指と人差し指が一旦離れ、
これまで触れられていなかった頂点へと向かう。
既に赤く充血し、尖った乳首に指が軽く触れた瞬間、陽菜の痙攣がさらに激しくなるのが優にはわかった。

(うふふ、本当に敏感・・・ここを責められたら、どんな風に喘いでくれるかな、はるるん・・・)

傷つけないように柔らかく、軽く、二本の指で陽菜の乳首を挟み、こねてみる。
しかしそれは、陽菜には雷が落ちるような衝撃となって襲い掛かる。

「ぃっひゃぁぁああぁぁあっ! そこっ、だ、だめっ! ゆ、ゆうさっ! あ!あ!あああああ!
 だめですっ! ほんとにっ、だ、だめっ、んあぁぁあぁ! あ、あひぃ、ひやぁあぁ!」

どんなに嬌声を上げようが、涙を流そうが決して優の手は止まらない。
顔を真っ赤に染めて、止まることの無い喘ぎ声を上げる陽菜の乳首と乳房を容赦なく責め立て続ける。

「陽菜ちゃん・・・本当に・・・かわいいわよ・・・」

優の身体もすっかり昂ぶってきている。
恐らく、下着は濡れてきてるだろうな、と思い、

(陽菜ちゃんのは、もうきっとズボンまでびっしょりだろうな・・・うふふふっ)

その想像はますます優を昂ぶらせ、嗜虐的な快感が満たされてゆく。

「いぁっ、あああっ、っひぃっ、あ! ああ! うぁ・・・あ! あぉぁ・・・んぐぁぁっ!」

乳房と乳首を執拗に責めたてられ、陽菜はもはや臨界直前であった。
荒くなりすぎた呼吸で、喘ぎ声も絶え絶えになりつつある。
羞恥・・・快楽・・・恐怖・・・困惑・・・
それらが入り混じった陽菜の表情に魅せられたように、優は顔を近づけていく。
胸から走る強烈過ぎる刺激に弄ばれながら、それでも必死で達しまいとしている陽菜には、
優の顔が映っているかどうかもわからない。
かまわずに、優は陽菜の額にキスをして、そのまま唇と舌を滑らせる。
目尻の涙を拭い、口元からこぼれる涎を舐め取って・・・

(ああ・・・はるるんの唇・・・キスしたい・・・)

息も絶え絶えに、それでも喘ぎ声を上げつづける小さな口を自分の口で塞いでしまいたい、
舌と舌とを存分に絡ませて嬲り尽くしたい。
そんな欲求を必死で抑える自分が馬鹿馬鹿しいと思いつつも、
あえて踏み込もうとはしなかった。
我聞と無理やりくっつけようとしているくせに、
最初のキスの相手は、自分で選ばせてやろうという先輩としての奇妙な優しさなのかもしれない。

(我ながら矛盾だらけだねぇ、ま、いっか・・・その代わり、こっちはしっかりいじめてあげないとね・・・!)

胸を責める手を緩めて、陽菜の反応を確かめながら、舌を首筋から鎖骨へと走らせていく。
胸への責めが少しだけ和らいだことで、陽菜の喘ぎ声は徐々に低くなり、
呼吸も楽になったようだ。
だが、これは優の優しさではない。

「はーるるん、気分はどうかな〜?」
「あ・・・ぅぁ・・・もう・・・もう許して・・・ください・・・っはぁっ
 おかしく・・・なっちゃいます・・・壊れ・・ちゃいます・・・」
「だ・め・だ・ね♪」
「ぇ・・・」
「息も整ったところで、最後に派手〜に声をあげて、壊れるくらいにイっちゃいなさいっ!」
「ひ・・・!や・・・」

再び陽菜の乳房へ優の責めが始まる。
今度は乳首を責める指の強さにも容赦がない。

「いっいやゃぁぁあああ! だめっ! 優さんだめっ! い、痛い、ひあぁっぁあっ!
 ひみっ、いたいのに、なんでっ! あぁっ! んあああぁぁっ!」

更に

「はるるんのおいしそーなおっぱい、頂きま〜っす♪」

片方の乳首を一瞬だけ開放して、そこに優は口をつける。
乳房を弱く吸い、強く吸い、乳首を舐め転がし、唇で挟む。

「ひあっ、だめぇっ! 舐めちゃだめっ! す、吸っちゃだめですっ! ひっ、ひゃあぁぁああっ!」

指の感覚に少しだけ馴れつつあった陽菜だが、優の柔らかな唇とねっとりとした舌での愛撫は、
陽菜の心をぐずぐずに崩すように蝕んでくる。
ちゅぱっ、ちゅぷっ、ぢゅるるるっ!
わざとらしく卑猥な音を立て、それがまた陽菜に恥辱を与え、昂ぶらせていく。

「や、ひゃあぁぁっ、だめ、あ、あひゃあぁぁっ! い、いひィっ! も、あ、だめっ、だめぇぇぇぇ!」

びくんっ、びくびくびくっ、びくっ !
もう嬌声も痙攣も止まらない。

「もうだめっ! ほんとにおかしくっ うあああっ、なっちゃうっ! だめ、らめ、だめぇぇぇっ
 いひゃああっ、やめて、もう、んああぁあぁぁっ、おねが、お願いですっ! 」
「だーめ、我聞くんには悪いけど、はるるんの最初の絶頂はこの優姉さんが頂くことに決めちゃったからね!
 諦めてイっちゃいなさ〜いっ♪」

優は陽菜の胸から少しだけ顔を上げて、無情にその願いを拒絶すると、またすぐに胸への責めを再開する。

(あ・・・また・・・社長・・・なんで・・・)

さっきもそうだった。

社長の、我聞の名前を聞くと、胸がどきん、とするのだ。
少しずつ信頼するようになって、少しずつ信頼されてると思う人。
頼りになるようでならないようで、でもやっぱり頼りになる、そんな人。
それでも、それは社長と秘書、それだけの間柄であった、そのはずだった。
それなのに、何でこんなときに。

「ひっ、な、なんでっ、あああぅ! ひゃ、しゃちょう、なんで、ひああぁあぁっ!」
「ん〜? ひどいなぁ、私が目の前にいるってのに、我聞くんのこと呼ぶなんて、
 やーっぱり毎晩、我聞くんのこと考えながら・・・」
「ち、ちがっ、んあぁっ、ちがいますっ、ぜったい、ぁはあぁぁっ、そんな、ことっ 、あ・・・ひあああっ!」

もう駄目だった。
一旦意識してしまうと、我聞のことが頭から離れない。

(どうして・・・わたし、社長のこと、そんな風に思ってない、思ってなかったのに・・・)

「や、見ないでぇ! だめ、こんなの、ちがっ、ああああぁっ! ひっ、だめ、らめ!
 き、きちゃうっ、なんかきちゃぅうぅっ!」

(社長、みないで、こんな私を見ないで! 違うんです、これは・・・)

「あ! あ! ああぁぁあぁぁぁっ! だめっ! ダメ! もう、も・・・あっ! あああっ!」

思い浮かべた我聞の顔。
頭から離れなくなったその顔が、陽菜の痴態を見ている。
その感覚が、陽菜を最後の絶頂へと一気に駆り立てる。
そんな陽菜の気配を察知した優もまた、一気に責めの手を強める。

「ひゃ! く、くるっ、なんかきちゃ、あああっ! い、いひぃィっ! ダメ、らめ!
 しゃ、しゃちょうっ! たすけっ、や! いやっ! うあ、あああああっ! もう、もうだめぇぇっぇぇ!」

がくがくと揺れる陽菜の肢体に跨り、
右手の爪で左の乳首を捻りつけ、
執拗にしゃぶりつきながら、歯で右の乳首を軽く噛んだ。

今まででいちばん強い、鋭い刺激。
それが、とどめになった。


「いっ! いひゃあああぁぁぁぁあ!」


びくびくびくびくびくんっ!


今までで一番大きな嬌声を上げ、腰をベッドから浮かしながら大きく痙攣して、
嬌声と痙攣が止むと、ぐたっとベッドに沈み込んだ。

「・・・ぁ・・・ぅぁ・・・・・・ぁぁ・・・・・・ぁ・・・」

放心状態で、意味を成さない小さなうめきを上げながら、
陽菜の意識は遠のいてゆく。

(しゃ・・・ちょう・・・ごめん・・・なさ・・・い・・・)

最後まで頭から離れなかった我聞の顔に、何故か謝らずにはいられなかった。
どうしてなのかを考える前に、
陽菜の意識は途切れた。

 

 

「・・・ふぅっ・・・ とりあえず、第一段階は成功、かな・・・?」

軽く寝息を立てはじめた陽菜の上から降りるとベッドサイドに腰をかけ、優は一人呟く。
今夜のシナリオは、優が事前に描いていた通りの、いや、それ以上の出来であった。

優が陽菜に飲ませたのは、どぶろくとは名ばかりのもの。
一応アルコールも入ってはいるが、基本的には優が独自に作成した薬品のカクテルである。

酩酊効果のある甘い芳香のクスリ、
ごく短時間だけだが恐ろしく強い習慣性をもつクスリ、
性欲の増進剤(気持ち多め)、
思考を鈍らせるクスリ、
能動的運動機能を一時的に麻痺させるクスリ。

優は、これらを無効化する錠剤を事前に服用し、
さも問題なさそうに美味しそうに、陽菜の前でこの薬品のカクテルを飲んで見せたわけである。

そして結果は見たとおり。
混乱させて興奮させて、まともに思考させる余裕を与えずに性的快感を叩き込み、
折り目折り目に我聞の名前を出して意識させる。

想定していた以上に陽菜に “素質”があったことと、
やはり想定していた以上に我聞という言葉に対して強く反応を示したことで、
想定以上の成果を上げられた、と言えよう。

ただ、一つだけ優の想定を外れた事態が生じていた。
それは・・・

「ああ・・・やっぱり・・・こんなに濡れてる・・・」

優は自らの秘所に手を触れて、思わず苦笑する。
自ら仕組んだこととはいえ、陽菜の想像以上の痴態を目の当たりにしたせいで、
優自身の疼きも納まりがつかなくなってしまった。

自らの手と舌で上り詰めながら、我聞の名を呼び果てていった陽菜に、
嫉妬する気持ちもあったのかもしれない。

胸をはだけたまま、やっと呼吸が落ち着いてきた陽菜の寝姿を見る優の目が、
またも嗜虐の色を帯びてくる。

「続きはまた明日の予定だったけど・・・もう少し、お姉さんの相手をしてもらおうかな・・・
 折角、我聞君への気持ちを気付かせてあげたんだもの・・・
 いいよね? は・る・る・ん♪」







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