恋を、しました。


一目惚れ、なんかではありません。
むしろ、私がこのヒトにそんな気持ちを抱くことになるなんて・・・出会ったときには想像もしませんでした。
想像もできませんでしたけれど・・・・・・あの日、あの雪の夜・・・彼と出会った、その時から・・・・・・
私の胸には、この想いの種が植えられていたのかもしれません。

彼と出会ってからの生活は、ちょっと慌しいものとなりましたが、
同時に賑やかで、ときに悩ましくもあり・・・ですが、とても新鮮なものでした。
彼自身もまた、きっと生まれつきなのでしょう・・・異様に不幸に付きまとわれる定めの下にあるようでしたが、
懸命に、時には挫けそうになりながら・・・・・・それでも前向きに生きていました。

そんな姿に時には呆れ、ですが同時に感心しつつ、このお屋敷でともに過ごした日々。
少しずつ彼のことを知って、自分のことを話して・・・共有した多くの時間、何気ない出来事・・・
そんな日々が、水となり、滋養となっていたのでしょうか。
胸に播かれた小さな種は気づかぬうちに殻を破り、根を張って・・・・・・
ある朝、ふっと気づいたときには・・・ちいさな芽が顔を出していたのです。
彼への恋心という、想いの芽が。

 

こんな気持ちになったのは、初めてのこと・・・初恋、というのでしょうか。
ドキドキしたり、切なくなったり、嬉しかったり、恥ずかしかったり・・・・・・
話しているだけで、顔を見ているだけで・・・いえ、その人のことを想うだけで私の心は慌てふためいて、
でも・・・・・・とても、満たされる・・・・・・

誰かさんは恋もしない青春は灰色だ、なんて言って私のことを酷く傷つけてくれたりしましたが、
どうです?
私だって、ちゃーんと恋をしてるんですよ?

 

・・・・・・恋をして、初めて知りました。
お屋敷での代わり映えしないと思っていた日常。
それですら・・・こんなにも楽しくて、眩しくて、温かくて・・・そして、切ない日々になり得るということを。

それは、かけがえのない・・・本当に素敵な、宝物のような気持ち。
誰にも触られたくない、誰にも見られたくない・・・・・・私だけの、宝物。

だからこの想いは大切に、宝箱の中に。
誰の目にも触れない、誰にも知られない・・・私だけの、胸の中に。
最後まで、永遠に・・・・・・私だけの、胸の奥に。

 

何故なら、この想いはあのヒトをきっと、傷つけてしまうから。

 

何故なら、この気持ちは、あの子を・・・・・・裏切るものだから――――――

 

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